Q: 左気筒が起爆しない
2012-08-20  質問者:倉嶋俊雄さん
お世話様です。
XS1Bを春先に苦労の末起こして、しばらく快調に乗っておりましたが、先日から急に左気筒がうまく起爆しません。プラグが逝ってしまったのかと思い左右を交換しても同じ症状。
キャブレターかと思い、分解掃除を丁寧に行いましたが症状変わらず。ガソリンもしっかり供給されています。残るは電装系かと思いプラグの火を調べましたが、明らかに左側の火が弱いことがわかりました。このような場合、どこを交換すればよいのでしょうか。ちなみにエンジン、電装系はオリジナルのままです。
過去のQ&Aを読めば、フルトラに交換を薦められそうですが、素人でも交換できるものなのでしょうか?
それとも、もっと違う原因が考えられますでしょうか?よろしくお願いします。
A:お答えします
お問い合わせありがとうございました。


誤解しないで下さいね!僕は本来ポイント推奨派です!
旧車においては、ポイント点火が最もメリットの大きい点火方式だと思っています。


旧車は充電系がすごく不安定で、充電電圧の高低差が大きい事が最たる理由です。
メンテナンスフリーを期待して、フルトラを導入したのに、そのメリットを享受する以前に、


フルトラ特有のトラブルに悩ませられるケースは、枚挙にいとまがありません!
フルトラ導入する前に、充電系を進化させることが、必要不可欠だと常に提唱しています。


先日もXS650Eをレストア中のお客様にご来店いただき、ポイント点火が不安定なので、
フルトラキットを導入したいとのご相談を頂きました。ポイント点火は非常にシンプルな


点火方式なので、不調になるには当然どこかに不調の原因が隠れています。
その原因が不明な状態でフルトラを導入する行為は非常に危険だとお話しました。


単純にイグニッションコイルの経年劣化が原因であれば、結果オーライになるんでしょうが
充電系の不安定が原因だとすると、症状はさらに悪化し、ドツボに嵌りかねません!


今回のケースも、まずはポイント点火で、キッチリと点火するように整備する事が、
最良の方法だとアドバイスさせていただきます。


さてそれではどこから調べれば良いかご説明しましょう。
ポイント点火の火花は、100%イグニッションコイルが作っています!


左右で火花の強さが異なる場合は、左右のコイルを交換して調べてみます!
配線の差し替えだけでも良いんですが、できれば取り付け場所も変えて調べて下さい。


念のため、イグニッションコイルの1次側、2次側の抵抗値も測定します。
抵抗値の基準値は1次側4?4.5オーム、2次側7-10kオームです。


イグニッションコイル以外に、火花の強さに影響をあたえる部品はコンデンサーです!
これも左右(上下?)のポイント配線に接続されていますから、差し替えて試してみます!


最後に、左右のイグニッションコイルの(+)配線に入力される、バッテリー電圧を測ります!
左右ともほぼ同じ電圧で、バッテリー単体電圧ともほぼ同じかをお調べください。


以上の検査の結果をお知らせいただければ、ある程度は原因個所が特定できると思います。

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