Q:
CB250Tg5ガバナー |
2012-04-26
質問者:渡邉匡彦さん
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はじめまして、渡邉ともうします!当方2500rpm付近でアクセルを煽るとバックファイアーが時々出ます、ガバナースプリングのへたりでバックファイアーは出ますか?宜しくお願い致します! |
A:お答えします |
お問い合わせありがとうございます。
ガバナーの原理は皆さん充分ご存知だと思いますが、さらっとおさらいしてみましょう。
xs650の場合、点火時期は上死点前15度です。要するに圧縮行程の180度が終わる15度前に
点火火花を飛ばすと、上死点付近でジャストの爆発タイミングが得られる訳です!!
アイドリング時はこのタイミングで点火すれば良いんですが、さらに回転数が上昇すると、
15度前の点火では、着火や火炎伝播のタイムラグにより、実際の爆発は上死点後に
なってしまいます。そうなるとこれ以上回転が上がってくれません!
要するに、高回転になると点火時期をもっと早めてあげないと、ジャストの
爆発タイミングが得られなくなる訳です。
xs650の場合、約2500rpmでガバナーが作動し始めます。作動は遠心力による拡張で、
ガバナーウエイトが広がる事により、ポイントカム位置を移動させる原始的な方法です。
このガバナーウエイトが最大に開いた状態をフルアドバンス(最大進角)状態と言い、
ポイントカム位置の移動により、点火時期は上死点前38度まで進みます。
そうする事によりエンジン回転数をリミットいっぱいまで引き上げる事ができる訳です。
ここで重要な事は、2500rpm以上は上死点前38度、2500rpm以下は上死点前15度に、
きっちりと移動し、固定されるように作動が管理されなければならないという事です。
その作動管理を全面的に任されているのが、ガバナースプリングという訳です。

ガバナースプリングは低回転ではウエィトが広がらないよう、しっかり押さえ込み、
2500rpmを境にウエィトが広がり、その後は最大に広がった状態を維持しなければなりません。
それでは、経年劣化でスプリングがヘタリ、張力が失われるとどのような症状が
起きるのでしょうか?
まず、アイドリング時にウエィトが固定されず、広がったり閉じたりを繰り返すと、
アイドリング回転数は上がったり、下がったりで非常に不安定になります。
点火時期は早まるとアイドリング回転数が上がり、点火時期が遅くなると
アイドリング回転数は下がる特性がある為です。
次に加速時ですが、25000rpmより早い時期にウエィトが広がる為、ノッキングが発生します。
これは、ごく低回転時に発生する症状で、25000rpmを超えれば、正常の加速状態となります。
また、空ぶかしの後に非常に顕著な症状が発生します。回転落ちがすごく悪いんです!
本来はガバナーがすんなり閉じるため、一気にアイドリング回転数まで下がりますが、
点火時期が早いままなので、本来のアイドリング時より高い回転数でアイドリングし、
その後ゆっくり回転が落ちるような症状が現れます。
さて、渡邉さんの症状と当てはまる部分はありそうですか? |
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