Q:
XS1Bパイロットジェット外し方 |
2011-06-18
質問者:サビトリゴンベエさん
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いつもお世話になっております。
現在、XS1Bの純正キャブレター分解整備途中です。以前に貴社のキャブレターO/Hセット#1917 '70?'71 XS1 XS1-B BS38用を購入・保管してありましたので、ジェット類も交換しようと作業を始めました。が、問題発生です。パイロットジェットが外れてくれません。以前の掃除時に少しきつく締めてしまったようです。そこに錆び?でしょうか、ややナメかけました。最終的には簡易ボール盤の上でドリルで慎重に削るしかないのかなと思っていますが、何かお勧めの方法はありませんか?数年前にCB250Tで失敗し、中古キャブをさがす事態に陥ったこともあり、冷や汗かいて作業中止、悩んでいます。一応、今夜は潤滑スプレーを吹き込んで置きます。ご指南いただければ幸いです。 |
A:お答えします |
お問い合わせありがとうございます。
まず最初に一般的な「固くなったネジ」の外し方をお話します。
合言葉は「固いネジはコンコン」です!!

ボルトやビスのネジ類は必ずオスネジとメスネジが存在します。
ネスネジがナットの場合は、まず問題なく外れますね!
固着して困るのは、メスネジが独立したナットでない場合です。
部品に直接ネジが切ってあったり、ナットが溶接されていたりと様々なパターンが存在します。
ネジが締まるとなぜ外れないかを考えて見ましょう。
上の図はネジを締めこんでいる時のネジ山の位置関係です。
(ネジの頭は右側です)
そして、ネジが強く締まった状態が下の図です。オスネジは右方向に力が加わり、メスネジは
左方向に引っ張られます。そうなるとオスネジの上山とメスネジの下山が密着します。
この密着圧力により、摩擦力が高まりネジが締まって外れなくなるんです。
そして経年劣化による錆や固着が原因で、簡単に外れないネジが誕生するわけです!!
何十年も前に先輩から教わったんですが、クランクケースカバーを外す時はこれを使います。
T字のプラスドライバーです。
ベテランの整備士はカッコ良いですよ?!(+)ビスを1回ガキッと緩めて、T字ハンドルを
手ではたき、クルクルクル?と回転させて、ビスを外しちゃうんです!
僕も現役の頃、お客さんに誉められた事がありますが、プロの手さばきって言うやつですね。
そして1発でガキッと緩まない時は、T字の中央をコンコンとハンマーで叩いてから緩めます。
この「コンコン」が効くんですよ!先程オスネジの上山とメスネジの下山が密着すると
言いましたよね。オスネジの頭を叩いてその密着部を離してしまうんです!!
それだけで簡単に緩むようになりますよ!! ぜひ試してみてください!
固着が酷い場合は、直接ボルトやビスの頭をガンガン叩きます、これでほぼ外れちゃいます。
固いボルトやビスに遭遇したら、それ以上回さない事です!回すと絶対に折れます!!
おもむろに叩きましょう!叩いたら回し、叩いたら回しを繰り返してるうちに、緩んでくるんです。
古いドライバーを使って(+)ビスを緩めようとすると、(+)部分がなめちゃう場合がありますね、
そういう時はハンマーで(+)部分をガンガン叩き、多少つぶしてしまいます。
その後で、程度の良いT字ドライバーや貫通ドライバーで(+)部分を叩くと元に戻ります。
こんな裏技も覚えておくと便利ですよ!!
このやり方に慣れてくると、ハンマードライバーはほとんど使わなくなります。
ただし現在のプロはほとんど電動かエアーのドライバーを使いますので、苦労しませんよね。
さて、本題に戻りましょう! パイロットジェットですか! 厄介ですね!!
材質が柔らかいので、無理に回すと絶対に折れますね。潤滑スプレーは効くと思いますよ。
それプラス「コンコン」ですね!貫通の(?)ドライバーか、鉄の棒で頭を叩いて下さい。
一瞬でも隙間ができれば、潤滑スプレーが入り込みます!!
そうなれば外れてくれるんじゃないでしょうか?
運悪く、もしパイロットジェットの頭が飛んじゃった場合は、
鉄ノコの歯を削ってエクストラクターを作ると取り易いですよ!
その時はまたお問い合わせください。
アールプロ門倉 |
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