Q: XS1のピックアップの不良
2010-11-08  質問者:野田さん
XS1のガバナの戻りが悪いのでスプリングをそちらで購入し、取り替えたのですが症状が代わりがないので、どうしたものかわからないのですが?
A:お答えします
お問い合わせありがとうございます。


ガバナー不良の点検は、本体を目視でする方法と、タイミングライトで見る方法があります。
タイミングライトで解る事は、アイドリング時の点火時期不安定、進角タイミングの不良、


最大進角位置のズレ、回転を下げても点火時期がすぐに戻らない等の症状が発見できます。
また、目視で点検しても、遠心力で広がるが回転を落としてもすぐに戻らない、


アイドリング時なのに多少広がったり戻ったりしている等々の症状が発見できます。
それでは、なぜそうなるのかを画像を見ながら解説していきましょう!




画像右のシャフト右端にポイントカムが付きます。左端は2ヵ所凹があるリングが付きます。
その凹に画像左のガバナーウエイト内側にある凸がはまっています。


ウエイトが付くプレート本体はカムシャフトと一体になるようにナットで固定されています。
ここで重要なのは、ガバナーウエイトはアイドリング時にスプリングに引っ張られ、


シャフトが固定されてなければならないと言う事です! 言い換えればエンジン停止時に
おいても、スプリングが効いていて、シャフトを保持していなければならないんです。


例えばスプリングが伸びた場合やスプリングの取付け穴が広がった場合、スプリングを
止める棒がやせた場合、曲がった場合はスプリングのテンションが掛からなくなります。


またスプリングは効いていても、ウエイトの凸が磨耗して、リングの凹との噛み合いが、
きっちりではなくユルユルになってしまうと、その分スプリングのテンションは下がります。


と同時にユルユルですから、シャフト右に行ったり左に行ったりと固定されなくなるんです!
これが、点火時期の揺れの原因です!


結論から言いますと、スプリングを変えても症状が直らないという事は、ガバナー自体が、
経年磨耗により、ガタガタになっている証拠です。


各部に少しづつガタがあるため、純正新品と同じ強度、長さのスプリングに換えても、
ガタが残ってしまうと言う結論です。


正しい修理方法はガバナーassyの交換です。交換すれば完璧に直ります。
その場しのぎの修理方法としては、スプリングの引っかかる部分を曲げ直して多少短くする!


又は一巻き分カットして、一巻き分曲げなおし、新たに引っ掛けを作る方法です。
一巻き分カットすると、スプリングのテンションが高くなりすぎ、ガバナーの開きが


少し遅くなります。磨耗の状態に応じて、交換するかスプリングを改造するか判断して下さい。
アールプロ門倉

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