Q:
GT750の充電不良 |
2010-11-03
質問者:ツッチーさん
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はじめまして。
当方スズキGT750に乗っているのですが、バッテーリーを変えたばかしなのにすぐヘッドライトが暗くなり、テスターで調べてみたところほとんど充電されていませんでした。
テスターでの計測は、バッテリーフル充電状態で行いアイドリング時で12.6v、3000rpmまであげても数値に変化がない状態でした。
どの箇所が原因か、またどういった手順で要因を探って行けばよいのかご教授いただきたくです。
当方電気知識はシロートなので、具体的に教えていただければ幸いです。
宜しくお願い致します。 |
A:お答えします |
お問い合わせありがとうございます。
すべての二輪車の発電機は、磁石とコイルの組み合わせでできています。
そして、どちらか片方がもう片方の廻りを、回転すると電気が起こります。
その磁石が電磁石の場合はフィールドコイル式発電機と言い、
永久磁石の場合はパーマネントマグネット式発電機と言います。
GT750は配線図を見れば一目瞭然ですが、フィールドコイル式発電機が使われています。
「拡大図」
配線図を見ると、スター結線の三相交流発電機の横にフィールドコイル(電磁石)があり、
片方がアースに落ちているので、(+)制御だと言う事が読み取れます。
このフィールドコイルに、レギュレターから(黒線を通って)電流が流れてくると、
コイルは磁化され、三相のスター結線コイルに電気が発生します。
その発生した電気は黄色線3本を通り、レクチファイヤーに行き、ダイオードで整流され、
赤線が(+)黒/白線が(?)の直流に変わり、バッテリーに蓄えられます。
バッテリー電圧が14.5vまで上がると、レギュレターは黒線に流していた電流をストップします。
すると電磁石になっていたフィールドコイルは、磁力が無くなり発電が終了します。
発電が止まると、当然バッテリー電圧は徐々に下がります! バッテリー電圧が12.5vまで
下がると、レギュレターは再び黒線に電流を流し、発電が再開される訳です!
そしてこの繰り返しが瞬時に行われ、エンジンが廻りつづける限り、延々と続きます。
その証拠に黒線に豆電球を接続すると、電流が断続しているため、小刻みに点滅します。
さて、充電不良という事ですから、このシステムのどこかに不具合がある訳ですね?
それでは、頻度の高い不具合をリストアップしてみましょう。
1)レギュレターから黒線に電気が流れない!
2)黒線から回転するフィールドコイルに電流を流す為の「ブラシ」が消耗しすぎた!
3)フィールドコイルの劣化で磁力が弱くなった!
4)三相のステーターコイルが壊れた!
5)レクチファイヤーがパンクして、整流しなくなった!
以上のような不良が多く見受けられます。それでは順番に良否診断をしてみましょう。
1)レギュレターから黒線に電気が流れない!
レギュレターの黒線から「ブラシ」を介してフィールドコイルに入ります。
このブラシ部分に電流が流れているか?をテスター又は豆電球で調べます。
豆電球がすごい速さでかすかに点滅していれば正常で、点灯もしくは不点灯が異常です。
2)黒線から回転するフィールドコイルに電流を流す為の「ブラシ」が消耗しすぎた!
ステーターハウジングに付いている「ブラシ」を取り外し長さを測ります。
カーボンブラシに使用限界線が刻まれていると思いますので、短ければ要交換です。
3)フィールドコイルの劣化で磁力が弱くなった!
フィールドコイルローターのスリップリング間の抵抗値を測って下さい。
多分5Ω前後が適性値だと思いますが、正確な数値をメーカーにお問い合わせ下さい。
4)三相のステーターコイルが壊れた!
三相コイルから出ている黄色線3本の抵抗値を測ります。左からA,B,Cとすると、
A-B,B-C,A-Cの組み合わせで測り、次にA-アース,B-アース,C-アースで測ります。
A-B,B-C,A-Cがすべて同じ抵抗値で、アースに落とした場合はすべて∞が正常です。
5)レクチファイヤーがパンクして、整流しなくなった!
今度は三相コイルから出ている黄色線3本の発生電圧を測ります。レクチ前ですので
当然交流で測定します。A-B,B-C,A-Cの組み合わせで測り、3000rpmで25v以上が正常です。
抵抗を測る時は部品単体でカプラーは外して測定します。
そして電圧や通電を測る時は、すべての配線やカプラーは接続した状態で測定して下さい。
以上のテストで、どこが不良の原因があるのか?おおよその判断が出来ます。
頑張って調べて下さい。
アールプロ門倉 |
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