Q: エンジンがかかりません
2010-10-20  質問者:POZZOさん
結論から報告させていただきますと、無事エンジンが始動しました! アドバイスありがとうございました!

ガス、キャブレターとも大丈夫だったみたいで、最終的には燃焼室に生ガスポトリ、アクセル全閉でキック!キック!・・・3回目のキックで始動しました。

以前と比べものにならないくらい、冷間時のアイドリングが安定しています。ということは、前のプラグはすでにダメだったということでしょうね。

40分ほどアイドリングした後、プラグを確認してみると、左に比べ右が少し黒いかな?という程度で良く焼けているようでした。

これで一安心だと思いますが、今後のためにも「良い火」「良い混合気」につづく「よい圧縮」についてもご教授いただけると幸いです。
A:お答えします
再始動おめでとうございます!!


お考えのとおり、たぶんプラグが死んでいたんでしょう。
生ガスポタリでエンジン始動という事は、始動時の空燃比が多少薄いのかも知れませんね?


冷間始動時はチョークONで、アクセル全閉が基本です。
アクセルを開けると空気を吸い込み、空燃比が薄くなってしまうのでご注意ください!!


それではエンジンの3要素について、もう少し解説しておきましょう。
「良い火花」・・・文字通り強い火花が、指定された点火時期に飛ばなければなりません!


またその点火時期は、回転上昇に伴い、規定の進角位置まで進角しなければなりません!
「良い混合気」・・エンジンにとって一番爆発しやすいのは、空気15と燃料1の比率の混合気です。


この空気15と燃料1の混合比率を「理論空燃比」と言い、アクセル全閉時、半開時、全開時の
すべての状態において「理論空燃比」を保つように調整しなければなりません。


その作業を、セッティングと言い、セッティングをするとか、出すとか言う表現を使います。
全閉時はパイロット系で、半開時はニードル系で、全開時はメイン系をそれぞれ調整します。



理論空燃比15:1より空気の比率が多くなると薄すぎに、燃料の比率が多いと濃すぎになります。
薄すぎるとススけてかぶり、濃すぎると湿ってかぶります。


火花が弱くてもススけてかぶり、薄すぎによるかぶりとかなり似ていますので、注意が必要です。
また理論空燃比はエンジンが温まった状態を前提としています。


冷間時はこれより多少濃くしないと爆発してくれません。その為にチョークが必要なんです。
エンジンの始動は基本的にアクセル全閉で実施するように設計されています。


冷間時はチョークを使用しアクセル全閉、温間時はチョーク無しでアクセル全閉です。
温間時に掛かりにくい時は、アクセルを少し開けて、空気の量を増やすと良くなる場合もあります。


また空燃比濃すぎでかぶらせてしまった場合は、アクセル全開で空気を多く入れると、
空燃比が調度良くなり、エンジンが掛かりやすくなります。


最後に「良い圧縮」ですが、混合気は圧縮しないと爆発しません!ただ燃えるだけです。
どの位圧縮するかと言うと、10ccの体積を1ccまで圧縮します。この場合の圧縮比は10:1です。


この圧縮比が高いほど爆発力は強くなり、平均的な圧縮比はこの10:1前後に設定されています。
圧縮を維持するのに一番重要なのはピストンリングです!またバルブの閉まり具合も重要です。


経年劣化でリングが磨耗したり、焼き付きで傷が付くと、リングから圧縮漏れが生じます。
またバルブの当たり幅広くなると、抑える圧が減少し圧宿漏れが発生します。


バルブの当たり面にカーボンを噛み込むと、この場合もテキメンに圧縮が漏れてしまいます。
この圧縮漏れを防ぐために、劣化したエンジンの場合はタペットクリアランスを、


多めに取るように、常々推奨しています!!
このような理由で圧縮が弱くなると・・・当然不完全燃焼が発生します。


以上のような理由でエンジンが快調に回りつづけるには、「良い火花」「良い混合気」
「よい圧縮」の3拍子揃ってないといけないと言うお話です!


逆に言うと、エンジン不調の原因はこの3項目の内のどれかだと断言できます。
それを推理するのが、修理の早道となるんです!!


アールプロ門倉

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