Q: スズキ T250の充電不足
2010-06-22  質問者:チャリさん
お世話になります。

スズキT250の件です。
エンジン始動に問題はなく、ふけ上がりも良好ですがエンジンが温まってきたときにウィンカーを点灯したり
ライトを点けたりしますとエンジンが止まってしまいます。

バッテリーは新品です。
テスターで電圧を計ってみますとアクセルを開けても12V辺りから上がって行きません。
通常13V?15V辺りまで上がると思うのですが、、、。

アイドリング状態では11.5V位です。
この場合 レクチの不良が考えられるのでしょうか?

御社の代替 レギュレーターにて改善される問題でしょうか?

よろしくお願いします。
A:お答えします
お問い合わせありがとうございます。


T250ですか!懐かしいですね!!僕も乗ってましたよ!かまぼこみたいな白いタンクで、
ブルタコに似てる奴です!ちなみに、T21とウルフ125、ウルフ90も持ってました!!


さて、充電不良の件ですが、この車両は単相交流パーマネントマグネット(永久磁石)式発電機です。




永久磁石がぐるぐる回り、その周りにある2個のコイルから交流電流が発生します。
その電流をレクチで整流し、直流に変換して、バッテリーに蓄えるわけです。


そしてこの車両の特徴は、レギュレターが付いていないことです!
'60年代から'70年代にかけて、多くの車両はレギュレターを持っていませんでした。


その代わりに、強充電回路と言うシステムで対処しています。
上の配線図をご覧下さい。オルタネーター(発電機)から配線が5本出ています。


左右の2本はポイント/コンデンサーの配線で、中央の3本(白線・黒線・点線)が発電機です。
内部にはコイルが2個ありますが、簡単に理解して頂く為に、乾電池が2個あると思ってください。


(-)側は2個が繋がって外に出され、白線となってレクチに行きます。
左側の乾電池(+)は外に出て黒線となり、レクチに行きます。


この状態が昼間の回路で、昼間は乾電池1個を使用して電力をまかないます。
そして夜になると、乾電池1個では電力が足りないため、もう1個の乾電池を使うわけです。


もう1個の乾電池の(+)は外に出て点線と繋がります。点線はライトスイッチがONになると、
並行する黒線に繋がり、最終的にレクチの黒線に繋がります。これで2個の乾電池がフル稼働する訳です。


ここで裏技です!!充電不良気味の場合、あらかじめ点線と黒線を繋げてしまうんです!
昼間の消費電力が少ない時も、2個の乾電池(実は発電コイル)がフル稼働するため、充電量が増えます。


なぜこのようなシステムを採用するかと言うと、常時フル稼働だと過充電の恐れがあるからなんです。
ですが、経年劣化により、充電量が落ちた場合は、過充電の危険性がなくなるため裏技が使えるわけです!


今回のケースは発電機の経年劣化(永久磁石の磁力低下やコイルの抵抗値の増大等)
による充電不良と思われます。熱を持つと抵抗値が増えるので、症状がひどくなります。


この場合はレギュレターは付けない方が良いでしょう。レギュレターを使うと抵抗値が増えますので、
レクチ(単相用¥5,800)のみを新品に換えて、強充電回路に接続するのがベストでしょう。


夜ばかり走らずに出来るだけ昼間の走行を増やせば、バッテリーには電気がたっぷり蓄えられるはずです。
それでも充電不良を起こす場合は永久磁石の着磁やコイルの巻き替えが必要になります。


そうなると大ごとになりますので、とりあえずこの裏技をお試し下さい!
レクチは完全に死んでいる訳ではないので、裏技の強充電回路のみでもいけるかもしれませんよ!!


アールプロ門倉
PS:CB250/350/450なども同様なシステムですので、参考にして下さい。

一覧へ