Q: CB450K1 片肺
2010-06-21  質問者:林 利一さん
旧車CBですが、5年ぐらい前に手に入れツーリングメンテ楽しんでますが、先日ツーリング中突然片肺になりました、素人判断でIGコイルかと交換しましたが火が入らず?プラグには火は飛んでます燃料もプラグがグズぐずに濡れるので来てます、コンプレッションも十分有ります、後ポイントの症状は片肺で掛けて居る時見てますと右側火の入ってない側のポイントからかなりきつい火花が出ています、それと右側コイルも点火している側と比べ明らかに熱くなってますがコンデンサでしょうか?左側は調子良く回ります、只今お手上げ状態です、どうぞ宜しくお願いします。
A:お答えします
お問い合わせありがとうございます。メンテを楽しんでやられていますね?!
今回はヒント程度にしておきますので、これを参考にして、ご自身で推理して下さい。


それではポイント点火のシステムと各部の役割をご説明しましょう。
IGコイルの(+)配線には、メインスイッチONの状態で常時12Vの電流が来ています。


ただし、(-)配線をアースさせないと回路が成立しないので、コイル内に電流は流れません!
その(-)配線をアースさせる役割がポイントです。言い換えればポイントとはアーススイッチなんです。


(この配線図はGT750用です)

ポイントが閉じている時は回路が成立しますので、IGコイルに電流が流れます。
この電流が流れる時間を角度で表した数値をドエル角(ドエルアングル)と言います。


IGコイルは簡単に言うと、このドエルアングル(スイッチ-ON)によって蓄えたエネルギーを、
ポイントが開く(スイッチ-OFF)と同時に、逆方向に解き放つと考えて下さい。


ポイントはこのように電流を流したり、カットしたりを瞬時に、確実に行う必要があります。
ポイントギャップから火花が出ると言う事は、電流が迷走している証拠で、これでは強い火花が得られません。


この迷走電流を抑える役割をするのが、コンデンサーです!!電流が勢い良く流れているのに、
いきなり通路が寸断されたら、飛び出す奴がいても当然ですよね!


でも飛び出さないように迂回路を設け、待避所があれば、行き場を失った電流はそこに集まります。
それがコンデンサーの役割です!! 


コンデンサーのアース不良やパンクにより、退避所としての機能が果たせなくなると、
ポイントギャップからの火花が止まらず、すぐにポイント接点を損傷させてしまいます。


ドエルアングル時のIGコイル通電により、蓄えられたエネルギーが瞬時に逆方向に解き放されて
プラグのスパークを生むわけですが、うまく開放できないとエネルギーは行き場を失い、熱に変化します。


これが、IGコイルが熱を持つ原因です。極端な例はメインスイッチの切り忘れです。
ポイント位置がドエル角(閉じた状態)でエンジンが停止状態だと、IGコイルに電流は流れ続けます。


この状態ではエネルギーの行き場がないので、すべて熱エネルギーに変化します。
手で触れないくらいに熱くなり、当全機能は低下してしまいます。


以上の説明で点火システムの各部品はどのような役割を果たしているかがお解り頂けたと思います。
その上で、各部品がどのような状態であれば、完璧なのか?お考え頂き、対策してください。


最後に、火が弱くて片肺になっても、プラグが「グズグズに濡れる」状態にはなりません!
もの凄く燃調が濃い状態でなければ、プラグはグズグズに濡れないんです!!


この辺もちょっと引っかかりますので、調べてみてください。
アールプロ門倉

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