Q: フロントフォークOHについて
2010-04-16  質問者:YOSHIさん
いつもこちらで勉強させて頂いております。

現在XS650SPを所有しておりフロントフォークのインナーチューブにサビがあるためSR400のエアバルブ付フォーク(ドレンボルト付き)を使用しております。

最近シールからオイル漏れしてきたのでOHし十分エア抜き(完全に内部のオイルをふき取りフルボトムの状態で規定量オイルを入れ音がしなくなるまで何回かストロークさせ一晩置いた後油面確認し組上げました)を施し組み込んだのですがストローク時大きい音では無いのですがグチュグチュという音がどうしても鳴ってしまいます。

実際走行した感じはそんなに悪くはありません。ただブレーキを握った状態でストロークさせると少しやわらかいような印象はあります。試しに低速で急ブレーキをかけるとフルボトムしているようです。

実際正常なXSのフォークはストローク時音は聞こえるものでしょうか?あと上記のような柔らかい印象はあるんでしょうか?

フォーク内部のスプリングはXSのものに入れ替えスペーサーは4mm長くしました。油面はSR400の油面より5mm高くしています。エア圧は0の状態です。

ストロークが柔らかい印象があるのはただ単にエアを充填していないからなんでしょうか?充填せず使うならもっと油面を高くしなければならないですよね?
にしても音の件は解決しませんが・・・。

もし正常でない場合正しいOHの手順・エア抜きの仕方など教えていただけると有難いです。

それではご指導のほど宜しくお願いいたします。
A:お答えします
お問い合わせありがとうございます。


フロントフォークは衝撃を吸収するスプリングと、そのスプリングの作動を
制御するダンパーで構成されています。


このダンパーはスプリングの伸びや縮みの作動を抑制し、緩和する役割です。
XS650やSR400のダンパーはダンパーロッドタイプと呼ばれるシステムが採用されています。


このダンパーロッドタイプとは伸び側と縮み側にオイル通路(オリフィス)があり、
この通路をオイルが移動する時の抵抗により伸び、縮みの激しい動きを抑制、緩和しています。


さて、ご質問のグチュグチュ音ですが、明らかにオイルが通路(オリフィス)を移動する時の
音でしょう。通常はほとんど聞こえない音が、なぜ聞こえるのかを推理してみましょう。


推理1)通常よりスプリングが柔らかく、伸び縮みの移動量が大きい!
推理2)通常よりオイル粘度が柔らかく、移動時の抵抗が少ない!


この位しか思いつきませんね?やはりスプリングの問題だと思いますよ?
単純に伸び縮みの移動量が大きい=オイルの移動量も多くなり、音も大きくなりますよね。


ほとんどのXS650の純正スプリングはヘタリ切って、フワフワの物が多いです!
そのスプリングをSRのフォークに移植したことが、最大の原因ではないでしょうか?


SRのフォークはセミエアーサスと呼ばれ、エアーバルブ付きになってはいますが、
本格的なエアーサスではなく、補助的な物とお考え下さい。


したがって、エアー圧は0(大気圧)で問題ありません。たしか0?0.6気圧の間での使用が
推奨されていたと思いますが、経年劣化で抜けてしまう車両がほとんどでしょう。


スプリングレート及び自由長、オイル粘度及びオイル量を再度点検し、最適な状態に
設定しなおせば問題は解決すると思いますよ!


フォーク分解組み立て後、オイル注入の際のエアー抜きは必要ありません!
注入したオイルは自然に落下してくれますのでご安心下さい。


アールプロ門倉

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