Q: 判断がつきません
2010-03-23  質問者:神長さん
お世話になってます、75年式TX650を所有する者です。先日はホームページへメールをしてしまい申し訳ございませんでした。
判断ができず困ってます。充電しない為御社メンテナンスガイドを参考に点検して居りますが、下記測定値についてご教授願います。

          記

1.バッテリー電圧12.3Vですがレギュレータで  9.1V程度、ブラシ部8.5V程度と電圧が下  がります。しかしブラシを外し測定するとバッテ  リー電圧とほぼ等しい電圧になります。
2.ローターレール間抵抗値は0.5Ωでガイド規定  値5Ωより遥かに小さい測定値です。

ブラシ長が外側10mm以下のため御社にて購入し取り付けましたが、その折配線固定ビス(短)とブラシ固定ビス(長)を誤って付けてしまいショートさせており、誤りに気が付かず3度ほどヒューズを飛ばしてしまいました。その後修復済みです。
その他のパーツについては異常ないようです。やはり未発電原因はショートによるローター不良なのでしょうか、宜しくお願いいたします。
A:お答えします
お問い合わせありがとうございます。


これは明らかにローター不良でしょう。ローターの巻き替えが必要です。
例えば100mの銅線を巻いてコイル(電磁石)を作るとします。


100mの長さですから、それなりに抵抗がありますよね。この抵抗値を5Ωとします。
ところが長さ10mのところで残り全部の銅線の被服が溶けショートしたと仮定します。


そうなると抵抗値は0.5Ωになってしまい、電磁石の磁力は1/10に下がってしまいます。
またほぼショートしている状態ですから、電圧降下を起こし9vまで下がってしまうのでしょう。


この状態では発電は絶対無理ですね!早く巻き変えてあげないとかわいそうです。
ちなみのレール(スリップリング)間抵抗値が∞のまま動かない!この場合はコイルの断線です。

これも同様にまったく発電しなくなります。


とりあえずローターの不良は明らかなんですが、なぜローターがショートしたかも重要です。
結構多いのがレギュレターの不良で、ローターに電流を流しすぎるケースです。


特に旧型の機械式レギュレターは、知らないうちに電圧の設定値が高くなっていて、
ローターに電流を流す時間が長くなってしまい、結果として熱を持ち内部ショートに繋がります。


ローターは通電と断絶を交互に繰り返すことにより、過剰な熱を持たないように、
制御されています。せっかく巻き直したローターを再び壊すことの無いようご注意下さい。


できれば最新の一体式ICレギュレター/レクチへの交換をお奨めします。
そうすれば電圧(通電)のコントロールは完璧ですから、安心してご使用頂けますよ!


ご検討ください。アールプロ門倉

一覧へ