Q:
アイドリング(低回転時) |
2010-03-20
質問者:okamotoさん
|
こんにちは、こちら1979年式XS650SP 3G5に乗ってるものなんですが、中古で購入し、調子をあげるため素人ながら試行錯誤しています。
プラグの焼けがひどく(真っ黒)マフラーのジョイント部分から黒いススがつきます。アイドリングが安定せず、エンジンが温もった状態でもアクセルを少し回すとストップします。高回転時の調子は良く、120キロでも巡航可能です。アイドリング時かぶっています。そのため、キャブのOHをし、バッテリー、イグニッションコイル、ブラシを新品にしました。圧縮もあり、点火時期もあっています。バルブクリアランスも少し多めにとってもみました。バイクはノーマルの状態です。フロートの油面高さでもガソリンの濃い、薄いは変わるのでしょうか?
低回転時が安定せず困っています。アドバイスをお願いしたいのですが、宜しくお願いします。 |
A:お答えします |
お問い合わせありがとうございます。
アイドリングとアクセルを少し上げた時に不調になるわけですね!
高回転時は調子良さそうなので、原因をキャブに絞って話を進めてみます。
要するに理論空燃比15:1の割合で空気と燃料がミックスされていれば、完全燃焼してくれます。
それでは不完全燃焼の原因は混合気が濃すぎるのでしょうか?薄すぎるのでしょうか?
「アクセルを少し回すとストップします」という文章から推測すると、ズバリ薄いですね!
混合気は濃すぎても薄すぎても不完全燃焼を起こし、結果的にプラグはカブリます。
ただし、同じカブルんでもカブリ方がちょっと違うんです。プラグが湿っぽくなる場合は
濃すぎです。逆に乾燥した黒いススがプラグに付く場合は薄すぎと判断します。
症状から推測してもすべて「薄いぞ」シグナルを点滅させていますよね!
では、何がどうなって薄くなったのか?を追求してみましょう。
下図はアクセル開度による、キャブの燃調調整役割分担表です。

アイドリング及びアクセル開度1/4以下ですと、パイロットジェット、ジェットニードル、
パイロットスクリュー(またはパイロットエアースクリュー)の領域であると判断できます。
またこの表全部に多大な影響を及ぼすのがフロートの油面高さです。
油面が高いと全体が濃くなり、逆に低いと全体が薄くなります。
高回転域がすこぶる快調という状況から判断すると、油面高はおおむね合っている
のではないかと推測できますが、念のため簡易油面23mmを確認して下さい。

確認ができましたら、いよいよ大詰めです。本題のパイロット系に移ります。
BS34キャブのパイロットジェット(PJ)はメインジェット(MJ)の隣のゴムフタの中にあります。
MJ経由で供給されるガソリンは、PJの小さな穴を通り、バタフライ上部の小さな穴から
燃焼室に供給されます。ここで重要なのが、PJの穴及びその後の通路の詰まりです。
ここが詰まっていると燃料供給が少なくなり、結果として混合気が薄くなってしまいます。
PJは新品に交換し、その後の通路及びエアークリーナー側のエアージェットやその周辺の穴に
キャブレタークリーナーを勢い良く噴霧して、すべての汚れ、詰まりを除去してください。
またMJの奥にあるニードルジェット(NJ)を取り外し、きれいに清掃してください。
最後にNJにささるジェットニードル(JN)を取り外し、軽く磨いてやります。
腐蝕で多少太くなっているケースも見受けられますので、丹念に磨きます。

(1)MJ (2)PJ (3)JN (4)JNクリップ位置
以上ですが、もう既にその辺は充分やったよ!という場合は、PJの番手をワンランク上げます。
#42.5番が標準ですが#45番を試してみましょう。
またアクセルのツキがまだ悪い場合は、JNのクリップ段数をワンランク下げます。
標準が3段目ですから4段目に変えるわけです。これにより標準より若干濃い設定になります。
ご健闘を祈ります。
アールプロ門倉 |
|