Q: ブローバイから白煙
2009-07-04  質問者:bunさん
TX650(77年モデル)異音についての回答ありがとうございました。ガバナー、ポイント部に油を塗りエンジンオイル交換で以前より静かになりました。再び質問お願いします。本日購入後初めて10分ほど試走したところ、ブローバイから白煙が出る様になりました。マフラーからの白煙は出ません。エンジンが冷え再始動直後は白煙は出ません。何が考えらますか?
A:お答えします
お問い合わせありがとうございます。


マフラーから出ずに、ブリーザーホースだけから白煙が出るんでしたら、
間違いなく多量のブローバイガスと判断してよいでしょう。


ブローバイガスはエンジンのピストンリングとシリンダーの隙間からクランクケース内に、
混合気や排気ガスが漏れてしまい、高温の飛散オイルと混じって外に排出されます。


原因は一言で言うとエンジンの「ヘタリ」です。シリンダーが摩耗して
リングギャップが大きくなり、リングも硬化して張力を失っているんでしょう。


このような状態ですと圧縮工程で混合気がケース内に漏れ出し、爆発工程では
排気がピストンとシリンダーの隙間からケース内に漏れ出します。


結果としてケース内の油温上昇を招き、高温の飛散オイルもケース外に同時排出されます。
クランクケース内はピストンの上昇、下降により、一種のポンプ状態であり、


ピストン下降時にケース内のガスは、いっきに外部に排出されます。
英国旧車等は構造上ピストンクリアランスやリングギャップを大きくとらないと


エンジンが焼きついてしまうため、このような問題に数多く直面します。
ピストンクリアランスを大きく取った場合はリングギャップを狭めるとか、


その逆にリングギャップを大きくした場合はピストンクリアランスの少なくするとか、
車種や乗り方に合った設定を施します。


また使用するオイルを鉱物油の硬めの物を選択することも非常に有効です。
間違っても化学合成油の10w-40なんか使わないでくださいね!!


以前ヘタリ切ったV8エンジンのアメ車に乗っていました。これと同様の症状で
ブローバイをエアークリーナーに戻そうもんなら1日でクリーナーはオイルだらけです!


エンジンに手を入れずに少しでも寿命を延ばそうと、油温を下げる為に
オイルクーラーを取り付け、オイルを鉱物油の硬めの物に変更しました。


かなり効果はありましたよ。半年くらいは延命できたと思います。
ただしこれはあくまでも延命であり、基本的には腰上OHが必要なのは言うまでもありません。


アールプロ門倉

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