Q: アイドリング不安定
2009-05-19  質問者:hiranoさん
79'XS650、ボイヤー ブルーボックス フルトラ車用に変更して、キャブはミクニVM-34キャブ(MJ240/PJ45パイロットスクリュー2回転)を付けています、現在、キャブの調整をしています。しかし、アイドリング時に安定しません。車体を傾けたりすると、アイドリングが遅くなったりしてエンジンが止まります。キャブのセッティングは去年の夏にしていたセッティングです。去年もたまに、信号待ちでエンジンが止まったりしました。どの様な原因が考えられますか?
A:お答えします
お問い合わせありがとうございます。


キャブのセッテイングを始める前に以下の調整を確認してください。
1)タイミングライトにて点火時期確認(Fマーク範囲内でできるだけ遅らせて下さい)
2)タペットクリアランスをIN-0.10mm、EX-0.15mm+α(0.01?0.05)に設定します。
3)ライト、ウインカー、ストップランプを点灯させてもバッテリー電圧が12Vを下らない。


さていよいよキャブのセッテイングです。まず油面の設定をします。
画像のようにフロートアームを真鍮のリベット(半分より上部)に合わせます。



MJとPJを標準の番手(MJ-#220/PJ-#35)に戻し、ニードルのクリップ位置を下から2段目に
設定、パイロットスクリューは1.5回転戻しに設定してください。


これですべて標準の設定に戻りました。ここからスタートしていきましょう!
このセッティングでアイドリングは問題ないのではないでしょうか!!


VMキャブは低速が弱いとご案内していますが、アイドリング自体は安定しています。
ただちょっと開けたあたり(スロットル開度1/5?1/4くらい)で息つきをします。


これは空気のみが先に入り、ガスの供給が遅れることに起因する現象です。
これを補正するには加速ポンプの取り付けしか方法はありません。


そのためにTM-RSやデロルトには加速ポンプが付いているわけです。
加速ポンプを持たないVMキャブの特徴といえば特徴なんですが・・・・・


低中速域でのもたつきがその後の急激なフケ上がりをよけいに際立たせ、
爆発的な加速力を味わえるのもVMの魅力といえます。


ただ、あまり回転を上げずに走る方、早めにシフトアップしてトップギヤで
回転を上げずに流して走る方にはこのキャブは不向きです。


そのような走行が続くとかぶりやすくなってしまいエンストにつながります。
たまに全開で走って、かぶりを取ってあげないとだめなんです!


低中速域のもたつきを解消しようと、キャブセッテイングに手を出すと、
どうしてもこの辺を濃い目にしたくなります。確かに濃い目にすると多少症状はやわらぎます。


ただし全体に濃い目となることによりアイドリングの不安定やフケ上がりの悪さに繋がります。
VMの場合は低中速域の悪さを個性ととらえ、ゆっくりアクセルを回すことで、


通り過ぎるのを待ってあげるか、高回転域をキープするような操縦方法が適しています。
個性を理解したうえでこのキャブと付き合ってやってください!!


アールプロ門倉

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